零弐壱蜂

先読みコミュニケーションで二度手間を防ぐ方法

背景

例えば「このバグ、いつ直る?」と聞かれて「今日中に対応する」とだけ返答すると、次に相手から「hotfixで出す?次のリリースに含める?」と来るだろう。最初から「今日中に対応する。影響範囲が限定的なので次回リリースに含める予定だ」と返せば、この往復は不要になる。

こうした予測可能な追加質問を先回りして防ぐのが、先読みコミュニケーションである。

Slackなどでの非同期のやりとりでは、追加質問のたびにリードタイムが伸びる。情報が小出しだと相手は不足分を推測して確認しなければならないが、必要な材料をまとめて渡せば判断が速くなる。「一発で分かる」ということは信頼にもつながる。

定義

先読みとは、相手が判断できる材料を先に添える行為である。相手の次の疑問を想像し、必要な補足をまとめて渡す。要は「相手は次に何を知りたいか」を考えることだ。自分の憶測で結論を押し付けるのとは違う。

留意点

先読みを行う際に気を付けているポイントは以下の通り。

  • 事実と推測を混ぜない
  • 推測には前提を書く
  • 判断は相手に委ねる

これを踏まえて、具体的にどう実践しているかを書く。

実践

基本パターン

先読みが効きやすいのは、相手の「次の質問」が予測できる場面である。

  • 否定(できない) → 代替案を添える
  • 完了(終わった) → 結果・影響・次のアクションを添える
  • 依頼(お願いする) → 背景・観点・期限を添える

実際の会話で見るとこうなる。

具体例

状況先読みなし先読みあり
納期確認「来週金曜です」「来週金曜です。遅延リスクがある場合は水曜までに連絡します」
仕様質問「対応していません」「対応していません。代替手段としてXがあります」
障害報告「復旧しました」「復旧しました。原因はYで、再発防止策Zは実施済みです」
レビュー依頼「確認してください」「確認してください。変更点はXで、特にYの部分を見てください」
不具合報告「バグがあります」「バグがあります。再現手順はX、影響範囲はY、暫定対応はZです」

不確定な場合

原因や影響が未確定なら、事実と推測を分けて書く。「現時点の事実はX。原因はYと推定している」のように記述する。