地元ベンチャー企業転職した

14 min read
hiroweb developer

略歴

今回が 2 度目の転職。

新卒入社で東京の SIer に長らく勤めていた。一身上の都合により地元に帰ることになり、知人の紹介で Windows 向けのソフトウェア開発会社の前職に入社。そして、今回の転職になる。

2016 年に退社して、2017 年に現会社に入社した。

(現職への転職前に「転職活動をしたのでキャリアの振り返り in 2016」というのを書いていた)

転職のきっかけ

前職は、前々職の SIer 時代と比べるとやや畑が違ったのだが、技術的なところでの苦労というのは無かった。地元では給与面でかなり高待遇であったのだが、それ以上に会社の社風に合わなかったのが原因で退職を決意した。

個人的に前職時代に耐えられなかったのは下記の 3 点。

  1. レビュー制度
  2. 労働環境(労働時間)
  3. キャリアプランとの剥離

レビュー制度だが、部署の部長がやる事になっていた。部長が居ないとレビューが通らないのでソースをマージする事ができない。不在時に代理で他の誰かがレビューする事も許されていなかったので、レビュー待ちが多かった。また、その部長のレビューの仕方も誰がレビュイーだろうと他の社員に見える所で罵詈雑言を浴びせられるスタイルだった為、気持ちのいいものではなかった。特に問題がなくても難癖付けられるため再レビューは必至、先述のレビュー待ちも多いため非常に効率が悪かった。

労働時間が非常に多かった。先のレビュー制度の非効率さもあるが、テスト仕様書の作成や製品のビルドがまた非効率的であった。テスト仕様書も都度レビューがあったので(以下略)。製品のビルドは、詳細は書けないが特殊な手順を多数踏む必要があり、半分ぐらい自動化されているが半日掛かり。夜中に帰ることも稀ではなかった。
労働時間の長さは家庭のある身では死活問題。妻と顔を合わせられない日もあり、心身ともに磨り減っていたように思う。家族の都合で休みをときに「君は関係ないよね」などと言ってくるのも本当に勘弁して欲しかった。

職場での不満や問題を変えられないもどかしさから転職を考えるようになった(部長の言う事は"絶対"なので、基本的に意見は通らない)。他部署には、ウェブエンジニアとして働ける環境があったため、部署異動を申請したが却下された。理由としては所属部署の人員不足に尽きると思われる。
これまでキャリアプランを深く考えた事はなかったのだが、こういった環境の中で転職を少しずつ意識する内に「自分は何をしたいのか」「どうあるべきか」という事を何度も考えることが増え、逆に良い機会にはなったと思う。

前職で良かったところ

一応、良かったところも書いておく…。

開発部とは別に製品検査部があり、品質に関しては気にかけているようであった。取引相手が官公庁が多かったというのもあるのだろうが、個人的に品質に対する意識や取り組みはここで再意識する事ができたように思う。

いま何してるか

転職を意識する中でやりたい事は「フロントエンド」だと思った。これまでバックエンドからフロントエンドまでオールラウンダー的にやっていた為、フロントエンドエンジニアとして働いたことはなく、ただ単に「やってみたい」に近かったので不安も結構あった。フロントエンドでなくとも、またウェブ一辺倒でやってみようと思った。

転職サイトを巡回していると気になった企業も出てきた。スキルチェックをしてみると、気になっていた企業を試験なしで面接を受けられることになった。それからトントン拍子に内定が決まってしまい、本当に転職して良いのか考える暇があまりなくて内定後に結構悩んだ。給与面で前職より下がってしまうため、この先やっていけるのかなど色々と考えたのだが、妻も「やりたい事やればいい」と言ってくれたので入社を決意した。

いまは地元のウェブ系のベンチャー企業でフロントエンドとして従事している。

現職

良いところ?

月並みだが風通しが良いところが良い。特に前職は上司に意見を言えない(通じない)ところだったので、改めてそこの良さを実感している。今後の行き先について不安や不満があった時に上司に物申す事ができるというのは精神衛生上かなり違う。
また、エンジニアのモチベーションを考えてくれる上司(職場環境)であるため、タスクの中でエンジニアのこだわり・わがままをわりかし容認してくれる。もちろん全部が全部容認してくれるわけではないが、エンジニアとしてのこだわりを理解してくれるのとそうでないのとでは、やはりモチベーションが変わってくると今更ながら思った。

不明点などあれば周りが助けてくれるのは非常に助かっている。これも前職との比較になってしまうので良くないが、基本的に情報なしで丸投げされて訊いても教えて貰えず辛い思いをしたので、凄く助かっている。

前職で辛かったレビュー制度だが、現職では同じ開発部の誰でもレビューをしてもらえる(仕様を知ってる人に依頼する形)。良いところは「良い」と言ってくれるし、悪いところはきちんと悪い理由を示して指摘をくれる。もちろん、自分も仕事上でもレビューでは、きちんと理由を付けてコメントをするようになった。レビューで学びがあるのが良い。

職級に「マネージャーコース」と「エンジニアコース」がある。これまでの会社では階級を上げるには所謂「マネージャーコース」に進むしかなかったので、今後のキャリアを考えていく上でエンジニアとして階級を上げていく事が受け皿があるのは良いなと思った。

何故か分からないが、在職するエンジニアに優秀な人が多い。技術面もそうだが、驚くような経歴を持った人も少なくない。人を集めるのが上手なのか、はたまた地元に弊社以外に無いのだろうか…。

良くないところ?

プロダクトのライフサイクルが不透明である事が 1 つある。製品の寿命と言うのは意識しなければならないと思う。特にリリース後にどれぐらいの期間保守し続けるのかを意識すると改修内容(リファクタなど)のレベルも変わってくる。契約期間と照らし合わせた時に大規模に変えていかないと戦えない年数であればそうしないとならないし、そうでないのであれば現状維持の方がそれぞれ低コストだろう。上層部の意識はあまりそこまで向いていないのかなと感じている(上長などには提言はしているが…)。

あまり品質に重きが置かれず、また「◯◯ するべき論」はよく挙がってくるのだが、実際に手を動かす人はまだまだ少ない印象がある。先日、色々と取り組みを行い品質面でかなりの成果をだす事ができた。そういうこともあってか部内の風も少し品質に比重が置かれるようになった気がしている。

優秀な人材を持て余している感がある。例えるなら「優秀なバッターをピッチャーとして使ってる」感じ。滅茶苦茶もったいない…!

転職までにやっていて良かったこと

結果論だけで言うとアウトプット(趣味でもプログラミング)をやってて良かった。

面接前の技術試験などがスキルチェックでパスできたのは、アウトプットをしていたおかげだったと思う。面接も「スキルが保証されている」前提で受けられた点はかなり良かった。それに、趣味コードで好き勝手書いていたのもあったのだが、動かせるものがあったので面接時に軽く見せられたのは良かった。

面接時にどういう事を質問するかまとめておくのも良い(新卒の就職活動かって感じかもしれないが)。「慎重ですね」と言われるぐらい聞いた。入社するかの判断材料を集めるために内部の事も聞けるだけ聞いた。

まとめ

新卒採用とは違い、転職はこれまでやってきたことが評価されることを改めて実感した。ブログや Qiita など技術文章をたくさん書いたり、趣味のプロダクトへ投資するのも良いし、所属する会社で実績を沢山作るでもいいし、何でもアウトプットをやっていく事が重要なのだと感じた。

波風を立たせたくないのであれば、退職時期も重要なので会社の期末とか意識した方がいいかもしれない。ただ「会社を辞める」時点で波風立っているので気にしてもしょうが無い。会社に義理もないのであれば気にせず転職するのをおすすめする。